【今更ながら】サザンオールスターズ 特別ライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」の感想を今更ながらつらつらと。

2020年6月25日、

この日にサザンオールスターズはデビュー42周年を迎えました。

振り返るに、この時はいわゆるコロナ禍が始まった年であり、ライブを含めた人が集まるイベントが相次いで中止・延期になっていた頃でした。

そんな中で、「何か音楽人として、音楽の力で世の中を明るくできないか」といった桑田さんご自身の発案により、一夜限りのオンライン公演が聖地・横浜アリーナで開催されたのです。

今回はこのライブを見ての感想を今更ながらつらつらと語っていこうと思います。

 

「なんで今更?」となるかもですが、先月、たまたま自分のiPhoneのメモを整理してたところ、当時このライブを見た時の感想のメモが見つかったのです。

「当時書いたライブを見た直後の新鮮なメモがどうせ残ってるなら、このブログで供養してしまおう」、そんな試みでございます。

 

それでは本題へ、

M1.YOU

この日の直前の桑田さんのラジオで「1曲目はmeじゃない曲です。」といった公式ネタバレ(?)があったので、納得の選曲と思った方も多いのでないでしょうか。

「meじゃない曲」と聞くと、この「YOU」の他にも、「TO YOU」や「青い空の心(No me? More no!)」などをTwitterで予測してらっしゃる方もいまして、本当に脱帽でしたよ(?)。

 

この曲は1990年リリースの曲でもあるため、ちょうど30歳のお誕生日年において、晴れての1曲目の選出となりました。

 

M2.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

「YOU」に続いての2曲目で披露されたのは「真夏の大感謝祭ライブ(2008年)」振りでした。2018〜2019年においては、いわゆる煽りパートでハンドマイクを持っての披露でした。そのためマンネリズム(ん?ひばりch...)解消のためにも、そしてオンライン公演という初めての舞台において、過去にも何度か披露したことがある立ち位置でこの曲を演奏するのは、演者側のこの曲に対するある種の信頼感というものも伺えますね。

 

M3.希望の轍

サザンで3曲目といえばこの曲でしょう。2019年のツアーを始め、過去の年越しライブでもこの位置で演奏されていますし、こちらも先ほどの信頼感的なものが影響してそうですね。

イントロを聴いた瞬間に「サザンの曲だ!」とわかるようなこの曲を序盤に置くことで、オンラインではありますが観客とのひさしぶりの再会(そして、ライブの再開)の合図変わりとなったような曲なのかなと思います。

Cメロに部分では「大変な毎日をご苦労様」「今日は楽しく行きましょう」と歌詞がアレンジされていましたね。

 

そして、このライブは、

「夢見るような愛のPotion寄せて」

「夢に見る姿の良さと美形のBlue Jean

「夢を乗せて走る車道」といったように、一言目が「夢」から始まる3曲でのスタートとなりましたね。

 

M4.Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)

こんな場所でお目にかかれるとは、、、ちょっと待って下さい ねェちゃん。

歌詞の中に「噂のタネにされたり 週刊誌に出たりで」という歌詞もありますが、桑田さんにとっては、この年の1月から週刊文春で「ポップス歌手の耐えれない軽さ」の連載が始まった時でもありますね。そしてライブの後の刊でもこのライブついて触れていたのでまさに「週刊誌に出たりで」を体現されていらっしゃいましたね(?)。

 

M5.フリフリ'65

こちらもこの位置で披露されることがなんとなく珍しいような感じもしますが、前曲の「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」とセットで歌われることは多いですね。

1999年の「晴れ着DEポン」では煽りの先頭と2番打者で、2014年の「ひつじだよ!全員集合!」では1曲目と2曲目での披露、そして今回のライブでは最初のMC明けの1〜2曲目(トータルで見ると4〜5曲目)での披露であったため、あとはアンコールの1.2曲目でセットで歌われたらコンプリートですね(?)。

 

M6.朝方ムーンライト

「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」と「フリフリ'65」で盛り上がった雰囲気から一変、少し落ち着いた雰囲気を持つこの曲が披露されました。

後半の歌詞が、「Woo 君がそばにいるようさ」「黄昏が迫る頃 面影と出会うヨコハマ(街)」「また逢えるその日まで 離れ離れもイイさ」とアレンジが加えられていましたね。

この曲はシングル「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」のカップリングであるため、A面とB面でフリフリさんをサンドイッチした構成になりましたね(?)。

(余談ですが、シングル「フリフリ'65」のカップリングにはライブ音源の「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」が収録されているため、なんとも三角関係のような曲たちですね(?)。)

 

M7.タバコ・ロードにセクシーばあちゃん

先ほどの「朝方ムーンライト」の歌詞のアレンジも含め、今回のライブは、(離れ離れと言った意味での一時的な)「別れ」をテーマにした楽曲が披露されているイメージがあります。コロナで会いたい人にも会えないという状況を恋愛メタファー的な表現で再現しているのかなと、この曲の披露も含めオンライン公演だからこそのアレンジ・セットリストなのかなと感じます。

曲の前にovertureがありましたが、こちらは2013年のいわゆる「灼熱マンピー」の時と同じものでしたね。

 

M8.海

この曲、、、とても好きなんですよね。

メロディから何まで全て好きで、今回はオンラインという形でしたがお目にかかれて嬉しかったものです。こちらも「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」同様、「灼熱マンピー」以来の披露となりました。

そして、これを書いているときに気づいたのですが、今回のライブの4曲目から11曲目までは全て80年代の曲なのですね。

この頃はデビューから1985年まで、それぞれの色や雰囲気は全く異なるものの毎年アルバムを出していたサザンです。

そう言った意味でもその頃のキャリアを一つずつ丁寧に遡るような選曲になったのかなと思います。

 

M9.夕陽に別れを告げて

サザンの卒業ソングといえばこの方でしょう。

自分はこのライブのちょうど3か月前(2020年3月)に高校を無事に卒業したのですが、その時の式は、コロナのこともあり来賓・保護者は参加できず、また国歌・校歌は斉唱ではなく「斉聴(静聴)」だったんですよね。

そんなこともあり、この曲の披露でなんとなくサザンに卒業を祝っていただいた、といったような特別な感覚にもなりました。

「独り身の辛さを音楽(おと)に託してお互いに笑い合える」と言う歌詞も、あまり人と会えないご時世でどうしても「ひとり(一人・独り)時間」が多かったことをも踏まえた選曲だったのかなと思います。

 

M10.シャ・ラ・ラ

この曲の披露に対して、当時反響が大きかったのを記憶しています。

だって「Let me try to be back to this place anyday(いつか私にこの場所に戻って来させて)」と言う歌詞ですからね。

きっとこれをみていたファンの方々も、「またいつかこの場所でサザンに生で会いたい!」と思っていたことでしょう。そんな気持ちとリンクした歌詞ですもんね。

そして6/25というサザンのデビュー日であり、クリスマスとは真反対の日に冬の曲を演奏するのも良いもんですね(?)。

 

M11.天井桟敷の怪人

メンバー紹介と簡単な演出を通してこの曲に移ります。

この曲の披露は意外だったという方も多いのではないでしょうか。

曲中で、「御来場の皆さん!!最後にブラボー!!」「カーテンコールをありがとう!!さようならを言う前に」と言った歌詞もありますが、なんとなく翌年にソロとしてリリースされた「炎の聖歌隊[Choir(クワイア)]」の「開演お待ちどうさん」のインスピレーションの元となっているような気もしますね。

 

M12.愛と欲望の日々

横アリでの披露は6年振りとなりましたね。間奏のギターソロにアレンジが加えられていました。

11曲目の「天井桟敷の怪人」はアルバム「葡萄(2015)」から、この曲は(2004年のシングル曲でもありますが)アルバム「キラーストリート(2005)」から、そして次の曲である(こちらもシングル曲でもありますが)「Bye Bye My Love(U are the one)」はアルバム「KAMAKURA(1985)」からの選曲でした。

このようにこれら3曲はこの日時点での最新アルバムと、キャリアにおける2枚組オリジナルアルバムからの選曲となったため、この部分もキャリアを遡るような選曲となりました。

 

M13.Bye Bye My Love(U are the one)

この曲の披露は納得でしょう。というもの今回のライブには”アンバサダー”として「さまぁ〜ず」のお二人が選ばれました。そしてこのお二人はかねてより他の音楽番組などでもこの曲が好きと仰っていました。そのためこのアンバサダーのお二人への敬意と申しましょうか、そんな粋な選曲だったのかなと思います。

 

M14.真夏の果実

全客席にあらかじめおかれたライトが輝き、綺麗な景色の中の演奏となりました。

この曲は中盤の大きな切り札として近年は披露されるようになりましたね。

この曲も1曲目の「YOU」同様、この年が30歳の誕生年となりました。

「こんな夜は涙見せずに また逢えると言って欲しい」、この歌詞も30年越しではありますが、何かコロナ禍で私たちが感じた気持ちとリンクをしているような気もしますね。

 

M15.東京VICTORY

結果的に翌年に持ち越されましたが、当時は「東京オリンピック」が開催予定だったため、この曲も納得の選曲でしょう。

真夏の果実→東京VICTORY」の並びは初めてではありますが、なんとなく既視感のあるような並びにも思えるんですよね。

これまで、真夏の果実の次には「太陽は罪な奴」「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」などといったバラードとは異なる爽快ナンバーの代表曲が披露されることが多々ありました。

そのため、代表曲を並べながらもその中でもあえて緩急をつけていく、といった演者側の工夫と言いますか、ライブの味の付け方なのではないかなと思います。

 

M16.匂艶THE NIGHT CLUB

前の曲の「東京VICTORY」から間髪入れずに披露となりました。

イントロ中に桑田さんが手を消毒をしていたのがなんともツボでございました。

煽りでの披露というように限定しますと、このような披露のされ方は、2018年のいわゆる「キックオフライブ」と「クローズアップサザン」振りであり、それより前に遡ると実に20年振り(ゴン太くんの集い(2000年))でした。

近年、とりわけサザン復活の2013年以降は、どうしても「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」「マチルダBABY」「ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)」「HOTEL PACIFIC」「みんなのうた」「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」「マンピーのG★SPOT」といった曲が主に煽りパートを構成していました。

あえてここで最近のセトリの組み方でなく、「渚園(1998年)」や「ゴン太くんの集い(2000年)」のように一昔前のセオリーを持ち込んできたのも面白いポイントですね。

 

M17.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN

こちらは「おいしい葡萄の旅(2015)」以来、5年振りの演奏となりました。

勿論(?)あの例の部分は歌われませんでしたが、この曲はサザンの売上ランキングで見るとTSUNAMIについで2位ですから、この曲が持つ力は大きいと言いますか、歌詞・メロディ・演出含め一つの目玉となった選曲でしたね。

 

M18.マンピーのG★SPOT

こちらはもう近年のライブの鉄板となりましたね。

16曲目が「匂艶THE NIGHT CLUB」でなく、「シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA」の披露でしたら、いわゆる90年代の「エロ三部作」が並んだセトリとなりましたがそれは叶わず。

ダンサーがいたと記憶してますが(WOWOWの映像を確認しなさい)、コロナのこともあり、十分に距離が取られ、またマスクをつけての登場となっていたのも印象的でしたね。

 

M19.勝手にシンドバッド

「42年前のデビュー曲を謹んでお聞きくださ〜い!」という言葉から始まりました。

デビュー日のライブで、デビュー曲で本編を締めると言った意味では、今回のライブのテーマに沿った選曲でもありました。

2番の歌詞は、「いつになればコロナが収束するのかな」「お互いにそれまではグッと我慢の暮らしを続けましょう!!」といったように、いわゆる「Stay Home」を呼びかけた替え歌が披露されました。

「音楽人としてできること」ということを桑田さんは幾度か口にしてらっしゃると思いますが、この歌詞を変えたことはニュースキャスターや政治家の方々などには決してできない、音楽人らしい「Stay Home」の呼びかけであったのかなと思います。

 

En1.太陽は罪な奴

小休憩を終え、アンコールが始まります。

このライブは6/25ということで、リリース日が6/25の

勝手にシンドバッド(1978)」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)(1984)」「みんなのうた(1988)」とこの曲が披露されたのかなとなんとなく推測。

この曲も横浜アリーナでの選曲となるとお久しぶり感がありますが、

真夏の果実」「涙のキッス」「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」「あなただけを〜Summer Heartbreak」「愛の言霊〜Spiritual Message〜」「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」らと一緒に90年代のサザンを支えたシングル曲でありますから、演者側にとってはこういった周年をテーマにしたライブでは必須の選択肢であるのかもしれませんね。

 

En2.ロックンロール・スーパーマン〜Rock'n Roll Superman〜

リリースからおよそ15年にわたるライブ披露の皆勤賞となりました、おめでとうございます(みんなが好きです、大感謝祭、灼熱マンピー、ひつじ、葡萄、ラララ、ふざけるな(日替わり枠))。

この曲の強いところは、聞く人によって解釈の仕方がたくさんある点なんですよね(この曲だけに関わらずですが)。

何かに向かっていく・挑戦する人の応援歌にもなれば、

自分自身を啓発させていく曲にもなりますし、

何かに落ち込んでいる人にとっては勇気づけられる曲にもなりますし、

もちろんライブではみんなで盛り上がって笑顔になれる曲ですし。。。

そう言った意味でも「Keep Smilin'」というフレーズに最も近い曲なのかなと感じます。

 

En3.みんなのうた

いつもの前奏から始まりました。

「あなたに守られながら 私はここにおります」、このフレーズにはグッときましたね。

42年間応援してくれたファンには勿論、その当時の世の中を支えてくれていたエッセンシャルワーカーの方へのメッセージや敬意としても取れますしね。

曲中では、恒例の放水ができな代わりに水風船をカメラに向かって投げたり、水鉄砲をカメラに向けて打っていたりと、オンライン公演ならではの演出もありました。

 

サザンのライブと言いますと、基本的にはバラードで会場全体を巻き込んで終わるというのが恒例ですが、今回は「みんなのうた」という盛り上がれる曲で、みんなで笑顔になって終われるのもライブテーマに沿った終わり方ですね。

 

ということで、

2年前以上のことをざっと振り返らせていただきました。

またこういう過去のライブの感想や振り返りは定期的にやろうかなと思います。

ということで最後までお読みいただきありがとうございました。

これからもお互い元気に頑張っていきましょう(締めのフレーズの少なさはなんとかならんのかい)。